つみたてNISAとNISAには、どのような違いがあるのかご存知でしょうか。
NISAで投資を始めてみたいと思っていても、そもそも違いがよくわかっていない方もいるかもしれません。
名前が似ているので同じようなものと考えているかもしれませんが、それは半分正解で半分不正解です。
この記事では、つみたてNISAとNISAの違いと選び方のポイントを解説します。
つみたてNISAはNISA制度の一部
NISAとは投資による利益を非課税にする制度のことで、つみたてNISAはNISA制度の一部です。
2023年までのNISAではつみたてNISA、一般NISA、ジュニアNISAの3種類から構成されています。
成人の場合には一般NISA、つみたてNISAのどちらかを選んでNISA口座を開設して運用する仕組みになっています。
一般NISAとは
一般NISAとは、投資における非課税制度として初期から始められたもので、2014年から利用できるようになりました。
一般NISAでは、2023年まで最長5年間にわたって投資の運用による利益を非課税にできる仕組みになっています。
日本国内に在住の18歳以上の人なら誰でも利用できる非課税制度で、NISA口座を開設すれば非課税にすることが可能です。
つみたてNISAと一般NISAの制度の違い一覧
NISAは、投資による利益を非課税にできるのがメリットです。
ここでは主に非課税になる投資内容の観点から、つみたてNISAと一般NISAを比較しました。
NISAの種類 | つみたてNISA | 一般NISA |
非課税期間 | 20年 | 5年 |
年間非課税枠 | 40万円 | 120万円 |
非課税限度額 | 800万円 | 600万円 |
対象商品 | 金融庁の認める投資信託 | 上場株式・投資信託・ETF(上場投資信託)・REIT(不動産投資信託)など |
買付方法 | 積立 | スポット・積立 |
ロールオーバー | 不可 | 可 |
つみたてNISAと一般NISAのメリット・デメリット
つみたてNISAと一般NISAの違いを比較すると、それぞれにメリット・デメリットがあることがわかります。
ここでは制度の違いを踏まえて、どちらがどのような点で優れているかを解説します。
【非課税枠】年間では一般NISAで総額ではつみたてNISA
一般NISAの方が年間の非課税枠で考えると、120万円もあるので投資を積極的におこないやすいでしょう。
しかし、総額で考えるとつみたてNISAの方が多いため、長期的に見ると非課税となる金額が大きくなる可能性があります。
【期間】20年間の非課税枠があるつみたてNISA
非課税期間の長さでは、つみたてNISAが優れています。
一般NISAでは5年間しか非課税にならないので、老後対策を目的とする長期投資には向いていません。
短期投資では5年間あれば十分なことが多いため、一般NISAが適しています。
【自由度】銘柄豊富でスポット投資ができる一般NISA
投資の自由度では、一般NISAが優れています。
上場株式や投資信託、REITなどに自由に資産を分散させて投資できるからです。
つみたてNISAでは、金融庁が認める長期積立投資向きの銘柄に限定されるため、投資の自由度はあまり高くありません。
【手間】厳選されていて選びやすいつみたてNISA
投資の自由度が低い反面、銘柄選びの手間が少ないのはつみたてNISAを選ぶメリットです。
投資の知識が豊富で自由に銘柄を選びたい人は、一般NISAでなければ不満に感じがちです。
しかし、比較的安全性が高い構成になっているため、厳選された投資信託から選びたい人はつみたてNISAが適しています。
違いを踏まえたNISAの選び方
NISAを利用するときには違いを理解して、自分の投資方針に合う方を選ぶことが大切です。
ここではつみたてNISAと一般NISAのそれぞれについて、おすすめの人をまとめました。
・長期投資で手間をかけずに非課税枠を使いたい人
・投資経験があまりなくてリスクの低い資産運用をしたい人
・少額資金をコツコツと積み立てていきたい人
・積極的に投資をして資金形成を狙いたい人
・株式やREITなどの運用に挑戦したい人
・まとまった金額で投資したい人
つみたてNISAはこれから少しずつ投資を始めて、老後対策をしたいといった希望を持っている人におすすめです。
つみたてNISAでは毎年の非課税枠が小さいので、試しに積立投資に挑戦したいと思っている人にも適しています。
一方、一般NISAは投資経験があって非課税枠を最大限に活用して利益を出したい人に適しています。
特に多数の資産を運用したい人や、株式投資などの特定の投資による積極的な運用をしたい人におすすめです。
資金的に余裕がある人は、毎年の非課税額が大きい一般NISAを選ぶと運用しやすいでしょう。
まとめ
2023年までのNISA制度はつみたてNISA、一般NISA、ジュニアNISAによって構成されています。
つみたてNISAと一般NISAは、積立投資向きか、積極投資向きかが大きな違いです。
長期的にコツコツと資産運用をしていきたい人はつみたてNISA、短期投資で積極的に運用していきたい人は一般NISAを選びましょう。
自分の投資方針を考えて、非課税枠を最大限に生かせるNISA口座を開設しましょう。