つみたてNISAを年の途中から申し込むと、メリットが少ないと聞いたことがある人もいるでしょう。
年の初め、1月から積立投資を始めた方がつみたてNISAの節税効果を生かせるとよく言われています。
この記事では、年の途中からつみたてNISAを始めるときに生じ得る問題と解決方法を紹介します。
年の途中からつみたてNISAを始めるときの問題
つみたてNISAを、8月や12月といった年の途中から始めるべきではないと言われるのは理由があります。
1月から始めるのと比べてどのような問題があるのでしょうか。
非課税枠の40万円を使い切るのが難しい
年の途中から始めると、つみたてNISAの非課税枠をすべて使い切るのが難しいのが問題点としてよく指摘されています。
一般的には口座を開設して銘柄を選んだら、毎月の積立額は33,333円を上限として設定することになります。
33,333円×12か月=399,996円で、非課税枠の40万円ギリギリになるという仕組みです。
年の途中から積立投資を始めると、非課税枠を使い切れないのでもったいないと思うのは当然です。
非課税枠は翌年以降に繰り越せない
非課税枠は、繰り越して翌年に使えれば問題ないと思うかもしれません。
しかし、つみたてNISAの非課税枠は繰り越しに対応していません。
投資を始めた日から1年間に40万円という枠でもなく、日本の税制に合わせて1月~12月の間で40万円と定められています。
つみたてNISAを途中から始めて非課税枠を使い切る方法
実は、つみたてNISAを途中から使い始めても非課税枠を使い切ることができるので大きな問題はありません。
非課税枠を満額にするには以下の3つの方法があります。
ボーナス月設定をする
ボーナス月を設定すれば、その月だけ増額して積み立てられます。
名前の通り、夏や冬のボーナスのときに多く積み立てたいという要望に応えるサービスです。
設定する月は自由に選べるので、10月に積み立てを始めて11月と12月に大きなボーナスを設定して40万円を達成することもできます。
増額設定をして上乗せする
増額設定に対応している金融機関なら、40万円の非課税枠を達成するのが簡単です。
増額設定は毎月の積立額を増やす方法です。
例えば、9月に積み立てを始めた場合に増額して毎月10万円にすれば、4ヶ月で40万円に到達できます。
非課税枠を使い切る設定をする
非課税枠を使い切る設定に対応している金融機関もあります。
マネックス証券ではNISA非課税投資枠使い切り設定、SBI証券ではNISA枠ぎりぎり注文と呼ばれている設定です。
非課税枠を超えてしまう分を切り捨てるように、最終月に積立額を調整する仕組みになっています。
増額やボーナス月設定と組み合わせて使用すると、金額がオーバーした分を12月に調整してぴったり40万円にできる補助的なサービスです。(2023年9月時点の情報)
年の途中からつみたてNISAをするときの注意点
このように、つみたてNISAは年の途中から始めても非課税枠を使い切ることが可能です。
ただ、ボーナス月設定や増額設定を使用するときには以下の2点に注意しましょう。
クレジットカード積立では適用できない場合がある
つみたてNISAはクレジットカードで積み立てられる場合があります。
クレジットカードを利用するとポイント還元を受けられるなどのメリットがありますが、金融機関によってはボーナス月設定などを適用できないことがあるので注意が必要です。
しかし、ボーナス分を現金で積み立てることが可能な場合もあるため、詳細を確認して積み立て方法を検討しましょう。
非課税枠を使い切れば良いとは限らない
つみたてNISAの40万円の非課税枠は、使い切れば良いというわけではありません。
非課税枠を利用するメリットは、運用による利益が出たときに税金がかからないことです。
無理に使い切った結果としてお金がなくなり、生活が苦しくなってしまっては元も子もありません。
つみたてNISAはあくまで資産を築き上げるために利用する制度なので、非課税枠が残ってしまったとしても気にしすぎないようにしましょう。
まとめ
つみたてNISAは年の途中から申し込んだとしても、ボーナス月設定や増額設定をすることで非課税枠を使い切ることが可能です。
1月からつみたてNISAで積立投資を始めないともったいないと思っていた人も、投資を始めたいと思った時点で口座を開設して投資を開始しましょう。
ただ、年の途中から投資を始めたときには非課税枠を使い切ることを目標にしないという視点も大切です。
あくまで投資に使うのは余剰資金だけと考えて、無理のない範囲で積立投資を進めていきましょう。