ラップ型ファンドとはつみたてNISAでも利用でき、投資初心者にもよく選ばれている投資信託です。
「ラップ」という名前を持つサービスにはラップ口座やラップファンドもありますが、何が違うのかが気になっている人もいるでしょう。
この記事では、ラップ型ファンドについて特徴とメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
ラップ型ファンドとは
ラップ型ファンドとは、金融機関が提供しているラップ口座やファンドラップのコンセプトを取り入れた、投資家の意向重視の投資信託です。
ラップ型ファンドでは国内株式、先進国株式、新興国株式のような株式に加えて、各国の債券や不動産投資信託(REIT)なども組み合わせて分散投資をする仕組みにしています。
資産の組み合わせ方や運用方針によって安定型、安定成長型、成長型(積極型)といった分類をしていて、投資家が資産運用の目標に合わせて自由に選べるようになっているのが特徴です。
ラップ口座やファンドラップとの違い
ラップ口座やファンドラップはラップ型ファンドとは異なり、個々の投資家の資産運用目標に合わせて担当スタッフが資産を管理・運用します。
個別対応をしてくれるのがラップ口座やファンドラップの特徴です。
ラップ型ファンドではあくまで運用方針を明確化するだけで、安定運用が良いか、積極運用が良いかといったことは投資家が選ぶ必要があります。
ラップ型ファンドのメリット
ラップ型ファンドは、つみたてNISAの投資信託選びでもよく注目されています。
ラップ型ファンドにはどのような魅力があるのかを見ていきましょう。
リスク分散の投資が簡単にできる
ラップ型ファンドは、リスクヘッジをして投資できるのがメリットです。
個別の株式や社債に個別に投資すると、投資先の企業の経営に支障が生じると大きく価額が低下するリスクがあります。
リスクマネジメントをするためにはできるだけ多くの投資先を選び、株式や債券などのさまざまな形で資産を持つことが重要です。
ラップ型ファンドなら、一つの商品で多数の投資資産に分散投資できます。
ラップ口座やファンドラップより少額から始められる
ラップ型ファンドは、ラップ口座やファンドラップよりも少額から始められるのがメリットです。
しかし、ラップ口座やファンドラップでは少なくとも100万円くらいの資金が必要です。
300万円や500万円を最低資金にしている金融機関もあるため、富裕層でないと利用しづらいでしょう。
ラップ型ファンドなら、少額投資を始めたいと思い始めた人でも気軽に投資を始められます。
ラップ型ファンドのデメリット
ラップ型ファンドは、つみたてNISAで選べる投資信託の中で特別に優れているわけではありません。
ここではラップ型ファンドのデメリットを解説します。
成長を期待すると信託報酬が高い
ラップ型ファンドで大きな資産形成を達成したいときには成長型を選びます。
ただ、ラップ型ファンドは運用コストが高い商品ほど信託報酬も高いのがデメリットです。
例えば、りそなラップ型ファンドでは以下のように信託報酬が定められています。
安定型 | 0.660% |
---|---|
安定成長型 | 1.100% |
成長型 | 1.210% |
インデックスファンドであれば、0.1%以下の信託報酬で済むこともあります。
つみたてNISAで長期的に積立投資をしていくと、成長型のラップ型ファンドは負担が大きいことは否めません。
ファンドラップより個別性が低い
ラップ型ファンドはファンドラップに類似していて、投資目標に合うメリットを生かせる運用ができることがよく着目されています。
しかし、ラップ型ファンドはファンドラップに比べると個別性が低く、細かな要求に応えてもらうことはできません。
個別の希望の変化には対応しないのが原則なので、こだわりがある場合にはファンドラップにした方が良いでしょう。
ラップ型ファンドでは、リスクもリターンも運用会社に依存することになります。
あまりおすすめしませんが、もしラップ型ファンドを選ぶのなら運用会社を調べて、安定した運用に成功してきた会社のファンドを選ぶようにしましょう。
まとめ
ラップ型ファンドはラップ口座やファンドラップと同様に、資産運用の方針を重視して選べる投資信託です。
保守的な運用をしたい人は安定型、積極的に資産を増やしていきたい人は成長型を選ぶことで、自分の目標や意向に合わせた資金運用を実現できます。
しかしながら運用会社がポートフォリオを臨機応変に変更するため、運用会社にリスクもリターンも依存する点には注意が必要です。