複利効果は、資産運用を始めるときに押さえておいた方が良い概念です。
つみたてNISAを利用して資産形成をする際には、複利効果がよく注目されています。
この記事では複利効果とは何か、資産運用をする上でなぜ注目されるのかを紹介します。
つみたてNISAで選べる投資信託での複利効果についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
複利効果とは
複利効果とは資産運用をするときに、運用利益を再投資して利益を増やす方法です。
まずは複利効果について、単利との違いや計算方法を紹介します。
単利と複利の違い
資産運用では、単利と複利の2通りの金融商品を活用できます。
単利と複利の違いは、資産運用をしたときに得られた利益に対して、さらに利益を得られるようにするかどうかです。
単利の場合には投資した元金によって利益が決まります。
しかし、複利の場合には運用によって得られた利益も投資に使用して、利益に対する利息も手に入れられるのが特徴です。
例えば、100万円を投資して年利5%で運用できたとすると、1年後には5万円の利益を得られます。
単利での投資の場合には得られた利益の5万円は懐に入れて、100万円の運用を続けます。
そのため、2年後にも同じ5%の年利だった場合には利益は5万円で同じです。
しかし、複利での投資をした場合には1年目の利益を再投資します。
そのため、2年後に得られる利益は105万円の5%の5万500円で、総額は110万500円になります。
3年後も同じ年利だったとすると、単利運用の場合には利益は15万円ですが、複利運用の場合には15万5,525円です。
ちなみに複利運用で19年目の運用益は1,526,950円、20年目では1,623,298円になります。
後半になればなるほど1年で増える額が増えていくので、スタートは早ければ早いほどいいです。
このように、投資利益を再投資することで利益を増やせることを複利効果と呼びます。
投資信託で複利効果を得る方法
つみたてNISAは投資信託が対象の投資商品です。
投資信託で複利効果を得るにはどうしたら良いのでしょうか。
まずは一般的な複利投資の方法を紹介します。
分配金なしで再投資する投資信託を選ぶ
複利効果を得るには投資信託によって得られた利益が分配金にならず、再投資する仕組みの商品を選ぶことが重要です。
成長している投資信託を選ぶ
投資信託の運用がうまくいっていて基準価額が上がっていることは重要です。
複利効果を得るためには、成長していて利回りがプラスになっていなければなりません。
利回りがマイナスになっていると損失が大きくなるので注意が必要です。
長期的に投資を続ける
複利効果は長期的な投資によって大きくなっていきます。
複利効果を狙うならすぐに売却せずに、投資信託を保有し続けて長期投資をすることが大切です。
つみたてNISAで複利効果が注目される理由
つみたてNISAでは、複利効果によって資産形成ができるとよく言われています。
ここでは、なぜつみたてNISAを利用すると複利効果を生かせるのかを解説します。
つみたてNISAの対象商品は分配金なしが基本だから
つみたてNISAで複利による利益を生み出せるのは、複利効果を生かせる投資信託がほとんどだからです。
つみたてNISAでは、国が定める基準を満たしている投資信託だけが対象になります。
長期積立に向いている性質のある投資信託しか選べない仕組みになっているのが特徴です。
つみたてNISAの対象商品は分配金がなく、再投資するルールが基本です。
そのため、つみたてNISAをして運用を続ければ複利効果を活用して資産を形成できます。
長期積立によって複利効果を増強できるから
複利効果を大きくするには長期的な運用が必要です。
つみたてNISAは長期積立を前提としています。
10年や20年にわたって複利で運用をすれば、少額でも利益を飛躍的に大きくすることが可能です。
また、つみたてNISAでは毎年少しずつ積み立てていくことを想定しています。
今年追加した運用資金によって得られた利益は、また来年の運用資金になっていきます。
来年はさらに資金を追加して積み立てていくので、年数を重ねていくにつれて大きな資金になっていくのは明らかでしょう。
長期積立を前提としているつみたてNISAは、複利効果を生かしやすいのが魅力です。
まとめ
複利効果とは資産運用によって得られた利益を再投資して、利益からさらに利益を生み出して資産を増やせる効果です。
つみたてNISAでは毎年の運用による利益を再投資する投資信託が基本なので、自然に複利効果を生かして資産を築き上げていくことができます。
また複利効果は、長期投資によって大きな利益を生み出せるのが特徴です。
長期投資を前提としているつみたてNISAでは複利効果を生かしやすく、長期的に見ると大きな資産形成につながる運用ができるのが魅力といえるでしょう。